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41この想いの行方3


月例テストの結果は意外なことに、数学だけは上位に入った。
とは言っても、数学が苦手なはずの高村の順位との差は大きい。
他の教科なんて比較することさえ恥ずかしいくらいに格差がある。
中学の頃はオレがあいつに勉強を教えたことだってあったのに。
そう思うと今更ながらこれまでの自分が情けなくなる。
あいつが頑張ってる間、オレは何をしてたんだろう。
少しでもあいつに追いつきたい。
せめて勉強くらいは。





翌週。
高村は学校に姿を見せることはなかった。
テストの結果に確かに嬉しそうな顔をしていたはずの高村だったのに。

野々宮は病欠だと言っていたが、本当のところはどうなんだろう。
また何か家のことで悩んでるんじゃないだろうか。
また独りで泣いてるんじゃないだろうか。
そう思うと落ち着かない。
高村のことを野々宮から相談されたオレがあいつのことを尋ねることはおかしくはない、とは思う。
だけど、バイトの件もそうだけど、事実を知ったところでオレができることなんて何もない以上
安易に踏み込むことはためらいを感じる。

高村はそういうのを嫌うやつだ。
まして今のオレの立場じゃとても図々しい行動でしかない。

結局オレは野々宮に確かめることもできないまま翌週まで悶々とした気持ちを引きずっていた。

月曜の朝、駅のホームで高村を見かけた瞬間。
まさに一瞬で沈んでいた気持ちが吹っ飛んだ。
教室であいつを心配した友人たちに囲まれて浮かべた照れ笑いはいつもと変わりなくて
そのことにひどくほっとした。

まるで中学時代と同じだ。
朝、あいつが教室に現れる度ほっとして、あいつの笑顔を見る度に嬉しくなって。
あんまりうまく感情表現できないやつだから、あいつの笑顔はすごく貴重なんだ。

今のあいつの笑顔はあのころよりずっと明るくて嬉しそうだ。

良かった。
ホントに、良かった。


「兄貴、なんかいいことあった?」
勉強中の人の部屋に勝手に入ってきてゴロゴロしながら雑誌を見ていた良平が尋ねる。
「あ?なんでだよ」
「昨日までは目元吊り上がってたのに今日は穏やかだと思ってさ」
「・・・・・」
「あ!もしかして、あの子となんかあったとか」
「・・・・なんもねーよ。つか受験生なんだろ、勉強してこいよ」
食い下がってくるかと思ったが、良平は「ハーイ」と素直に立ち上がって部屋を出て行く。
ちょっとニヤニヤしてたのが気に入らないが。

「やれやれ」
おっさんくさい言葉が口をつく。
けどそれも、どこか喜色が混ざっている。

高村と何かあるわけなんかない。
だけど一週間のあいつの不在とあいつがいる今日一日を過ごして改めて実感した。
あいつと直接かかわれなくても、あいつが視界の中にいるだけで多分オレはすごく嬉しい。
いつの間にか苦手になってた勉強だって、こうして今また頑張れてんのも、やっぱあいつがいるからだ。


「どうした。最近頑張ってるようだな」
野々宮は察しがいい。
ニヤニヤとオレの手元の単語帳を見ている。
「ようやく目標を見つけたか」
「・・・・・・・・・・・・」
「なんだよ、教えてくれるんじゃなかったのか?」
「・・・・・・笑うなよ」
「笑うわけないだろ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ら」
「ん?なんだって?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・高村」
「あん?」
「オレの目標は高村だっつってんだよ。何度も言わすな」
野々宮は目を丸くして、それから大きく笑顔を浮かべた。
「これはでっかい目標だな」
「わかってるよ、敵わねーってことくらい。勝手に目指すくらいいいだろ、ほっとけよ」
「なにキレてんだよ、お前。良い目標じゃねぇか。そこ目指してりゃ間違いないぞ」
バシバシっと遠慮なく肩を叩いてくる野々宮の笑顔に、なんか照れくさくなる。
間違いない、か。
うん。
確かに間違いない。
「それ、高村が聞いたら喜ぶぞ」
「はっ!!??おまえ、言うなよっ?絶対言うんじゃねーぞっ!!」
「おい、教師をおまえ呼ばわりすんな」
「んなこたどーでもいーから絶対あいつに言うなよっ?他のヤツにもだっ!!!」
「なんだよ、なに照れてんだよ。言わない言わない。約束する」
「絶対だなっ?」
「ああ。絶対な」
「絶対だからなっ。約束破んなよっ!」
「はいはい。頑張れよ、青少年」
「~~~~」
絶対面白がってやがる。
ちくしょう。
失敗した!!

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