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「だれよりもすきだったサッカーver」掲載中


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39この想いの行方1




あのころのオレは、部活も勉強も楽しいばかりで、高村と出会ってからはもっと楽しいことばかりで。
家のことはいろいろあったけど、高村といたらそういうのは全部忘れていられた。

「それで?そろそろ名前くらい教えてくれたっていいじゃん」
まだ言ってら。なかなかしつこい、竹内。
聞こえないふりをして、飯を口に運ぶ。
土曜日のこの時間、ファミレスは賑わっている。
「俺さぁ、ちょっと知ってんだよね」
向かいに座るスズキがニヤニヤしながらオレを見た。
「高村だよな」






「荒井、覚えてるだろ?あいつさ、彼女いんだぜ。これがめちゃくちゃ可愛い子でさぁ。
あの暴れん坊が、今じゃすっげー真面目だし、ホント彼女大事にしてんの」
意外だった。
荒井はずっと高村のことを好きでいるんだろうと心のどこかでそう思っていたから。
「あいつ、小学んときからめちゃくちゃだったじゃん?
けどそーゆーの改めるきっかけくれたのが高村だったんだって。
自分のこと、ちゃんと認めてくれた奴って初めてだったらしいわ。
で、もうそっからすっごく気になって仕方なかったらしいけど。
あいつああいう性格だからさ、高村を怒らせることばっかやらかすし、そのうち学校は分離するし、
結果サッカーとデキちまうわでどうしようもなかったって言ってた。
俺さ、ばーちゃんの話も聞いてたしすげぇ納得してたんだ。
ま、最初から、サッカーと荒井じゃ勝負ついてるしな。それは荒井もわかってたらしい」
スズキの発言に竹内とカワサキがどよめく。
「なんだよ!やっぱ彼女なんじゃん!!」
「くそ、うらやましいっ!!」
バカじゃないか、荒井。
オレと高村は結局なんにもなかったのに。
高村はおまえのことをちゃんと見てたし、わかってたよ。
おまえが諦める理由なんてどこにもなかった。
「・・・・・そんなんじゃねえよ」
「え?つまりサッカーはその子のこと別に好きじゃなかったってこと?」
「違う」
「えー・・・・?んじゃ荒井に気ぃ遣ったのか?」
「違う」
荒井にとられたくなくて必死だった。
荒井にどう思われようがオレは高村が欲しかった。
だけど。
「あいつはオレのことなんてなんとも思ってない。つかむしろ嫌われてるからさ。
オレみたいな適当なやつ、あいつはすげぇ嫌いだし?」
「サッカーのどこが適当なんだよ?大体それ、直接そう高村に言われたわけ?」
「そんなの言われなくてもわかるよ。オレ全然相手にされてない」
「えー?サッカーってモテるけどさ、特定の子と一緒にいるのって実はなかったじゃん?
けどその子、高村だっけ。あの子とはよく見かけた。実際そうだっただろ?」
「荒井も確信があるから諦めたんだろ?あいつがそう簡単に引くやつじゃないの知ってるじゃん?」
そンなこと言われても、実際オレと高村はそんな関係じゃなかった。
オレだってあのころは高村はオレのこと好きでいてくれるって思ってた。あいつと付き合ってるんだと思ってた。
だけど違った。
オレはちっとも高村に好かれてなんかなくて。
全部、オレの勘違いだった。

スズキとカワサキは顔を見合わせる。
「そういうのってこう・・・・当事者同士、いちいち言わなくても通じてるもんじゃないの?」
「・・・・・うーん、それはさ、何とも言えないんじゃね?」
「意外。竹内は言わない派っぽいのに」
「お、俺だって多少学ぶところはあんだよ!!それよりサッカー、お前だよ!
その様子じゃ今も想ってんだろ?どーなってんだよお前らは」
「今・・・・・おんなじクラスだけど・・・・目も合わしてもらえない状態」
「それってなんか理由あんだろ?思い当たることないの?」
そんなものありすぎて、溜息しか出てこない。
「オレが全部悪い」
沈黙が落ちた。
せっかくの楽しい雰囲気を壊してしまった。
「わりぃ、こんな暗い話して」
「なに言ってんだよ、大事な話だろ。つかなんでもっと早く言わないんだよ」
カワサキが言うと、そうだそうだと他の二人も頷く。
「サッカーは気ぃ使いすぎ。あとカッコつけすぎ!そんなに悩んでんなら言えよ、バカ。
言ってくれてたら今朝だって何かできたかもしんないじゃんか!」
スズキの言葉に、そうだそうだと他の二人が続く。
「・・・・あいつ、多分付き合ってるやついるから」
「じゃあお前は荒井みたいに割り切って次の子見つけられんのか」

できるもんならそうしたかった。
そうできたならどんなに楽だろう。
あいつを嫌いになろうとして、忘れようとして、女と遊んでみたってあいつへの気持ちが募るばかりだ。
高村じゃなきゃ、ダメなんだ。
あいつ以外、誰のことも好きになんてなれない。
こんなにも苦しくたって、あいつを嫌いになんてなれない。忘れることなんてできない。
好きで好きでたまらない。
この気持ちはどうしようもない。

「じゃあ、その気持ち、今度こそちゃんと伝えろよ。言わなきゃわかんないことはあるんだよ」
「・・・・手遅れだよ、もう」
いまさら言ったって、迷惑になるだけだ。
これ以上嫌われるのも、正直怖い。
「お前の気持ちを伝えることに意味あるんじゃねーの。
それを向こうがどう受け止めるかは、わかんないけど、でも今のままじゃ結局辛いのは同じだぞ。
だったら言葉にするしかないんじゃないのかな。サッカーが次に進むためにもさ」


みんなに励まされる格好で、その日、オレは帰宅した。
次に進むため、か。
オレはどこに進みたいのかもわからなくなってるのに次なんてもんがほんとにあるのか。
この気持ちを伝えたところで、いいことなんてあるとは少しも思えない。
今のままでいいとは思ってないけど、もうどうしようもないことなんじゃないだろうか。

頭の整理はつかないまま、風呂に入って自室に戻ると、竹内からメッセージが届いていた。
今日遊んで楽しかったとかまた遊ぼうとか、そんな文章とは別にもう一つ、長いメッセージが後に続く。
『実は俺、彼女と別れたばっか。
好きとか付き合おうとか言わないままで付き合ってきてて。
けど実は彼女にずっと二股掛けられてた。
そっちの男がサイテ―な野郎でさ、他に女が何人もいるような奴で、
彼女ともまともにつきあってるわけじゃないらしい。
そんな男とは別れろって言ったらさ、俺も同じだって言われた。
ずるずると付き合ってるのはどっちも同じだって。
で、彼女はそっちが本命なんだとさ。それでオシマイ。
二股かけられたのは正直かなりムカつくし、気持ちも冷えた。
けどもし最初にちゃんと好きだって言えてたら、こんなことにならなかったかとも思う。
だから、お前はちゃんと言え。
フラれたら慰めてやるからよ笑』

「またな」の文字の入ったへんてこなスタンプに思わず吹き出しながらオレはある思いに駆られる。
この「サイテ―な野郎」って、オレのことなんじゃないだろうか。


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