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16オレの事情 高村の事情10


部活を勝手に抜け出した罰として今日の練習はひたすら外周を走るだけになったオレに、梅は付き合ってくれた。
だんまりのオレに何も聞かずに並走してくれる梅に感謝しつつ、オレは高村の姿を探していた。
高村は、ちゃんとあの後すぐに帰ったんだろうか。
頭を打った高村のことをもっと労わる言葉はあったはずなのに。
どうせ罰を受けるんなら、高村を送るくらいすれば良かった。
何やってんだよオレは。
後悔しか出てこない。
明日、あいつはどんな顔でオレを見るんだろうか。
どんな顔で、あいつに会えばいい?
また避けられたら、どうしたらいいのか、わからない。



ようやく部活が終わって更衣に向かう途中、梅が口を開いた。
「高村んちの電話番号、分かるよ」
「え」
「会うのは難しいかもしれないけど、電話くらいなら大丈夫じゃない?」

着替えもせずに荷物をひっつかんで、オレは学校前の公衆電話に駆け込んだ。
何度かのコールのあと。
高村本人が出たのは良かったけれど、明らかに不審がられてしまった。
「・・・・どうしたの?電話なんかしてきて」
下手をしてうっかり切られでもしたら敵わない。
言葉を選ばなきゃ。
「も~だからぁ、そこで黙るなら―、電話してくるな~」
いつもと変わらない高村の話し方。
電話の向こうでどんな顔をしているか目に浮かぶ。
「お金かかるでしょ。必要ならこっちからかけ直すけど?」
切るどころか、話を聞いてくれるつもりらしい。
でも話をするならやっぱり会って話したい。
高村の顔を見たい。
ちゃんと顔を見て話したい。
「高村、今忙しい?家、行っていい?」
今すぐ会いたい。
「は?うち?いや家は無理無理、まじやめて。なんか急ぎの用なの?」
「じゃちょっと出て来れない?」
食い下がるオレに受話器向こうで絶対ため息つかれた感じがした。
「・・・・出れるけど」
よっしゃぁ!!
「じゃあ、どこ行けばいい?決めて」
高村んちは以前に聞いた荒井の説明が正しければ、たどり着ける自信はある。
高村の指定してきたのは、荒井の説明にも出てきた三角公園。
「わかる?」
「なんとなくわかるし大丈夫。急いでいくから絶対待ってて」
「うん、まあ、待つけどさ」
その言葉にオレの気持ちにさらに弾みがついた。
「じゃ、すぐ行くからっ!!」
そこからは全力疾走。
自宅まで駆け戻り自転車に飛び乗り、高村との約束の公園へとひたすら走って、
神社横の近道を突っ走って、ようやく公園が見えてきた。
思っていたより小さな公園には、小さな子供と母親たち。
その中に見知った姿があった。梅のおふくろさんだ。
その人と言葉を交わしているのが高村だとわかるまで少しかかった。
私服姿の高村を見たのは初めてだった。ジーンズにニット。シンプルな普段着姿。
制服とは違う高村の姿にドキドキしてしまう。
公園前に自転車をつけると、梅のおふくろさんが気が付いて、おや?という顔をする。
挨拶をするオレににこやかに応じながら、ほかの親子連れに向かって「そろそろ帰ろっか」と声をかける梅のおふくろさん。
これ絶対変な気を回されてる。
高村もオレもなんだか気まずいままで、親子連れが公園を後にするのを見守るしかできずにいた。
手を振って帰っていく梅の弟に手を振り返しつつ、チラリと隣の高村を見る。
高村は、梅の弟に手を振りつつ梅のおふくろさんに小さく頭を下げていて、慌ててそれに倣うと、梅のおふくろさんにクスッと笑われて、なんかすげー恥ずかしくなる。高村もいたたまれなさそうだ。
まさかここで梅の家族と出くわすなんて。
ただ救いは高村の様子がめちゃくちゃ困ってはいるけれどイヤそうじゃないってことだ。
高村の笑顔はたまに信用できない時があるけれど、こういう時の高村の表情はちゃんと気持ちと一致してる。

「あっこ、座ろっか」
四つ並んだブランコの左端にオレは座る。
高村は、右から二個目に座ろうとする。
「いや、なんで?フツー、ここじゃん?」
隣を指して笑うオレに高村は明らかに慌てて
「え、そうなの?ご、ごめんっ」
顔を赤らめて隣に座り直してくれた。
どんな顔で会えばいいかなんて悩む必要なんてなかったみたいだ。
「なんかごめんな。急に呼び出して。でも、やっぱ直接話したかったから」
オレの言葉に高村は小さく「うん」と頷く。
いつもの高村と少し様子が違って見えるのは、いつもと違うシチュエーションのせいだろうか。
ほんの少し落ち着かない気持ちを押しやって、口を開く。
「高村のたんこぶの原因、やっぱオレだからさ」
高村が口を開こうとするのを手で制止する。
「そのっ!高村も言いたいことあると思うけど!まずオレの話聞いて!!」
今うっかり高村の優しさや気遣いに触れたりしたら、オレはきっとまた逃げてしまうから。
高村はオレの顔をじっと見て、それから「わかった」と頷いた。

「今日、高村が怪我する前」
「うん」
「オレ、木内と一緒にいた」
「・・・うん」
足元を見つめている高村の横顔は彼女の髪の毛に邪魔されて表情が読み取れない。
「木内に・・・・コクられた」
どんな反応が返ってくるのか。
高村の様子を確かめたいけれど、高村はじっと動かない。
「・・・・うん」
高村は静かに頷いて・・・・・
「・・・・・・・・うん??」
慌てて顔を見上げた。
オレは苦笑する。
保健室前でのやり取りから予想はしてたけど。
「・・・・・オレがあいつと付き合ってるって、思ってた?」
答えはわかっていても、聞かないではいられなかった。
答えを聞けばまた落ち込むのは目に見えているのに、それでもオレは聞かずにはいられなかった。
高村は静かに息をついた。
「・・・・付き合ってるかまでは知らない。けど、仲は良いと思ってた」
高村の言葉は、思っていたものとは違った。
そしてその言葉はオレにとってとても意味のある言葉だった。
「ごめん・・・・・違うの?」
押し黙ったオレをどう受け取ったのか、高村は戸惑いながら尋ねてきた。
オレは首を横に振った。
「そう思われて当然だもんな。オレもはっきり否定してきたわけじゃないから。
オレがずっとそうやってごまかしてきたせい、全部」
自業自得だ。
「だから、ごめん」
高村に向かって頭を下げる。
「・・・・なんで、謝んの」
今日、もう何度も同じ言葉を言われてる。
けど今のそれは、悲しそうに聞こえてオレは高村を見た。

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