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4 高村との出会い 4



理科室の落書き事件から数日。
オレは松山と話がしたくて、部活帰りのあいつを待っていた。
夕方の校門前。
木内リカが女数人と一緒に下校するのに出くわしてしまった。
視線を合わせないようにそっぽを向いてやり過ごすことにする。
「先帰ってて」
だけど木内のそんな声が聴こえてきた。
うわ、サイアク。
こんなところで。



好奇に満ちた視線を遠慮なしにこちらに向けながら通り過ぎていく女子軍団。
うざい。
「久しぶり」
目の前には、木内が立っていた。
「クラスまた違っちゃったね」
長い髪を指でいじりながら木内は拗ねたような顔をしてオレを見る。

去年だってクラスは違った。
超マンモス校だった去年は、一年だけで二ケタのクラス数。
2・3年も同じ状況で、校舎に入りきれない1年は仮設教室で過ごしてきた。
何棟も並ぶプレハブ校舎。
靴の脱ぎ履きも各教室前の靴箱って状態だから
そこに関係のない生徒が出入りするのはかなり目立つ。

小学校のクラスメートもクラスに一人いるかいないかって状況。
オレは心底ほっとした。
やっと解放された。
噂話はあれこれされていたけれど、それさえ気にしなければ楽しく過ごせた。

木内の姿を見かけることがなかったわけじゃないけれど
これだけの大所帯、接触しないようにするのは容易かった。

けど今年。
新しい中学校ができ生徒が分割されたことで今この学校は同じ小学校の連中が8割がたを占めている。
幸いにも木内とはクラスが違った。
けれどあいつがどこのクラスかなんて、知らない。
もう気にすることさえ忘れていた。
小学のことはもうオレにとってとっくに過去のことだった。

今更、何の用だってんだ。

「なにしてるの?誰か待ち?もしかして、女の子、とか?」
女の子、のとこが探るような口調になったのは気のせい・・・・じゃないよな・・・・・はぁ・・・・。
「クラスのやつ待ってんだよ」
そう、と木内は満足そうな顔で頷く。
「サッカーのクラスの女子、かわいい子多いもんね。気になる」
木内は笑顔を浮かべているけれどその目は笑ってないように見えて、オレは笑えなかった。
「ね!今度どっかあそび行かない?映画、今おもしろいのやってるし」
「・・・・・部活忙しいから」
「試合とかもう出たりできるの?応援しに行ってもいい?」
「・・・・二年が出れるわけね―じゃん。友達、待ってんだろ、早くいけよ」
立ち去るふりして、すぐそこの交差点から覗いてやがる。うっとおしい。
あいつらも。木内も。
「じゃあまた時間空いたら連絡ちょうだい。待ってるから」
「・・・・ああ」
「バイバイ」
木内が立ち去るのを待ってオレは大きく息をついた。頭いてぇ。

結局突き放すことができない自分自身にイライラする。
いつまでこんなことしてんだよ。

「何してんだサッカー。帰んねぇの?」
向こうから声をかけてきた松山にオレはあいまいに頷く。
松山の方はそれで何か察したらしい。
「なんだよ、まだ気にしてんの?こないだの」
理科室の件。
ああそうだ。その話がしたくて待ってたんだ。
「高村がせっかくなかったことにしてくれたんだ、そんでいいじゃん」
良くない。全然よくない。高村にあんなことさせていいわけない。
そういう感情がもろに顔に出てたんだろう、松山は小さく「フーン」と呟く。
「お前さ、ああいうことされて腹立たねえの?初めてじゃないって顔してたよな。
男のやっかみなんて下らねえけどさ、向こうにやりたい放題させとくのも腹立つじゃん」
腹は立つけど、だからってこっちが何かしたらまた悪化するだけだ。
何もしないのが一番いい。
「お前、苦労してんだな。あんま、ため込むなよ?」
ポンッと背中を叩かれて、オレは頷く。
松山は多分、信頼できる。だから引っかかった言葉。
「なぁ松山、よりによって高村か、って言ったよな?あいつになにかあんの?」
「あぁ、あいつ傷ついただろうなって思ってさ。お前には結構懐いてんじゃん。そーゆーの珍しいからさ。
前から知り合いだったわけじゃないんだろ高村と」
「いや、今年初めて」
高村がオレに懐いてる?そんな風に見えるか?あんなに避けられてんのに?
「あいつ、好き嫌いはっきりしてるからな。チャラチャラしてるやつとか軽いやつとかあいつ無理だし。
けど考えて見りゃあいつが噂話をうのみにするわけないか。毛嫌いしてるもんなそういうの」
「それどういう意味だ?ちゃんと説明してくれ」
「説明って・・・・お前知らない訳じゃないよな?あいつの兄貴、高村さんのこと」
知ってる。直接なんかじゃないけれど。二個上のすんげー怖い先輩。学校的には超問題児。
あの学年は素行の悪いのが揃いも揃っていて、他校とのもめごともすごかったし、校内でのトラブルも後を絶たなかった。
そのたびに、高村先輩の名前は耳にした。
高村は、その人の妹だ。俺とは全く違った方向であいつも噂の人物ではある。今もきっと。
それだから余計に興味を持ったってところもある。
あいつを直接知る荒井から聞く高村の話は、まっすぐで強くて、噂話の高村とは違ってた。
噂なんかに全然負けてない高村稜という女の子に憧れた。
噂に怯えて逃げたくて、事実からも目を背けてるオレとは全然違う、そんな子に。
「高村とは小1からの付き合いなんだ」
本人はいたって大人しい、クラスでも目立たない子だった。
それが次第に一部の生徒から注目されるようになっていった。
素行の悪い兄貴のせいで。
「あいつ、いっつも理不尽な目に遭ってきてんだよ。いやがらせとかも結構受けてきてるし」
「え」
「高村さんの仕返しも半端ねえから、目立つやり方はされてないみたいだけどさ」
怖いことを松山はさらりと言う。
あいつ、なんかされてんの?自分に関係ないことで?今でも?
「わかんねえよ。そういうの全然出さないやつだし。あいつ絶対泣かねえんだよ。なにされても。
高村には高村の意地の通し方ってのがあるんだろ。ああみえてあいつ根性あるからさ。
そのせいで警戒心スゴイ強いから付き合う人間も限られてっけど、
一度認めたやつのことはすごく大事にするやつだよ。
だからあんときも本気で怒ってたろ?
こっちの分も怒ってくれるようなやつってそんないねえからさ。
だからあいつが何も言ってこねえなら、もうこの話はおしまいでいいんだって。
オレ、この後用事あるしそろそろ帰るわ。じゃあな」
あっさりと松山は帰っていった。

松山の、高村への信頼は厚い。
高村もきっと同じように松山を信頼してるんだろう。

その松山の言葉を信じるなら、オレは高村に認めてもらってるってことになる。
じゃあなんで避けられてんだろう。
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