☆きらきら☆

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2 高村との出会い 2



中2のスタートはこの上なく上々だった。
教卓の真ん前の席は最悪だけど、振り返る理由ができた。
ほんの少し体を反らせば、毎日何度でも高村と目が合う。言葉を交わせる。

英子・竹下コンビがにぎやかに盛り上がるから、自然な流れで高村に声をかけやすいのが助かる。



高村はあまり口数の多い子ではないようで、クラスでも結構一人で行動している。
友達がいない訳じゃないけれど、一人が落ち着く、そういうタイプらしい。
それでも休み時間、ほかのクラスの女子と話している姿もたまに見かける。
そういう時は、すごく楽しそうに笑ってる。

親しくなるまでに時間がかかる子かもしれない。

でも女子からは最低評価の荒井のことが平気な子だろ。

だから興味を引いたんだけど、どう見てもオレは明らかに避けられてる。
クラスの他の男子ともわりと普通に話してるのに、オレに対しては微妙に距離を置こうとしてる。

まあ、それも当然、か。

オレのせいで小学時代に不登校になってしまった渡辺と高村は去年クラスが同じだった。
二人が一緒にいるのを、遠目に何度か見たことがある。
仲良さそうだった。
オレの話も、もしかしたら何か聞いているのかもしれない。
渡辺は、オレを許してなどいないだろうから。


でもだからと言って高村への興味は尽きない。
あの子がどういう子なのか、もっと知りたい。
噂なんかじゃなくて、ホントの高村稜のこと。


その日初めて、理科室を使っての授業があった。
席は自由らしい。

理科室への移動後、オレはすでに席を決めていた連中としゃべりながら高村の様子を見ていた。
予想通り、高村はひとりで空いてる席に座る。
それを待ってたオレは、彼女の隣の席を取った。
「ここ、いい?」
案の定、ぎょっとした顔をされたけど気にしない。
予想済みだ。
激しく動揺していながら、それを必死に抑え込もうとしてる高村の様子はなんかすごくかわいく見えた。
さりげなく(なってないけど)ちょっとずつ椅子をずらして遠ざかってる姿なんて、もうすっげ可愛いじゃん。
オレに遠慮しつつ、っていうのが、またなんともいえない。
オレを嫌ってるわけじゃない。多分。だから大丈夫。

今までだったら何よりも気にしてきた周囲のざわめきなんか、気にする気にもならない。
気にしてたら、いつまでも高村との距離は埋められない。
それだけは直感的にわかっているから。

それからは理科室の授業が楽しみで仕方なかった。
「けしゴム忘れた、貸して」
毎回懲りずに同じ手で高村に絡む。
そしたら消しゴムを二個用意してきた。面白いやつ。
「教科書忘れた。見せてー」
頑張って作ってるオレとの椅子の距離を思い切り詰めてみると、予想通りにうろたえてくれる。
ついでに覗き込んだ高村のノートは、びっくりするくらいわかりやすく書かれてて
まじめに写させてもらったりもして。

あー、荒井もきっとこんな風に高村をいじって楽しんでたんだろう。
あいつはもっと露骨に高村が嫌がることをしてそうだけど・・・・・。

ふと、あの事件の噂を思い出す。
荒井が女子を殴った。
そういう噂。
本人に確かめることができいままの噂話。
同じ時期に、荒井は「女子に殴られた」って言ってたんだ。
何かの間違いだろう、きっと。
あるわけない。そんなこと。


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