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「だれよりもすきだったサッカーver」掲載中


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コメント

(*^_^*)

久々の更新ですね。
いつも楽しみに読んでます。

2016.04.01   マガー   編集

マガー様

コメントありがとうございます!!
めっちゃ嬉しいですっ!
しかも、いつも読んでいただいているなんてっ!!
ありがたいです(´;ω;`)
不定期更新の駄文ですがよろしければ
またぜひお立ち寄りくださいませ~
(*^▽^*)

2016.04.02   あかつき涼   編集


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98 最後の年10


「四男がやっぱりこっちで暮らしたいって言うならいつでも連れ戻す。俺らは全員そのつもりだよ」
「オレらももう何もできないガキじゃないしね」
サッカーくんと次男くんの強い心のつながりを感じる。
いろんなことを越えて一緒に強くなってきたんだって、すごく伝わってくる。
サッカーくんがどんな思いで高校進学を迷い、大学進学を決意したのか。
これまで感じてきた彼の変化の疑問がようやく解けた気がした。


出来上がった餃子は、テーブルの上いっぱい。
「冷凍しておけるから便利だよ。揚げ餃子にしたらお弁当にも入れられるし」
「へえ、それ助かる。ありがとねー高村さん」
次男くんは無邪気に笑う。
中学時代のサッカーくんを彷彿させるそれは、ちょっと胸にくるものがあった。
そういう私の機微をサッカーくんは敏感に察したらしく、
「んじゃオレ、高村送ってくるから、あとのことは任せた」
口早にそういうと私の背中を押してキッチンから出る。
「了解、またね高村さん、バイバーイ」
明るい次男くんの声。
バイバイを返したいけど、声を出したらそのまま泣いてしまいそうだった。

もたもたしてる私の帰り支度をサッカーくんがテキパキ整えてくれて、
まだ小雨の中を同じ傘の下、歩き出す。
「ごめんな、いろいろ混乱させた」
気遣うようにサッカーくんは私の背を支えてくれる。
長かった今日一日。

奏さんのいた病室。
四男くんの笑顔。
サッカーくんちの事情。
サッカーくんと次男くんの強さ。

「ごめんね。ちょっとだけ・・・・ごめん」
堪えきれなくなった涙を手で拭う。
ゆっくりだった歩調が更に速度を落とす。
止まらずにいてくれるのが、彼の優しさだろう。
止まってしまったら、きっと私は素直には泣けない。

何で泣いてんのか、自分でもよくわからなかった。
けれど涙は止まることを知らず、気が付けば駅を通り越していた。
「家まで送るから」
「・・・うん」

泣き止んだころ。
今度は空が大粒の雨を降らし始めた。
「うわっ、高村、走るぞ?」
「うんっ」
突然の豪雨に坂道を駆け上がり、その先の神社に駆け込む。
無人の神社の神楽に靴を履いたまま、膝歩きで急いで上がり込む。
「雨宿りするんだしばちは当たらないだろ」
笑いながらサッカーくんはびしょぬれになった靴を脱いで足を延ばし寛ぐ。
「びっくりしたね。すごい雨」
私も彼の隣で同じ格好になる。
ゲリラ豪雨だ。
神楽の外は今や雨のせいで視界が霞んでしまう。
大きな声を出さないと聞こえないくらいにごうごうと音がする。
ゴロゴロと雷が鳴る。
「うわ、雷かよ。勘弁してくれ。ここ大丈夫だよな?」
山の上、木に囲まれているだけになんだか怖い。
「ま、大丈夫だろ。多分。落ちるならあっちだ」
サッカーくんの指さす先は、グランドとは名ばかりの、開けた土地の中にある一本の杉の木。
「あれ、やばそう」
ほんとに。
なんであんなとこに。
「とにかく雨がましになるまではここで避難だなー。
お前、家に電話しとく?」
「ううん、大丈夫。遅くなるかもって言ってあるし」
「そっか。あ、次男から電話。もしもし?あ?!聞こえねーっ!なに?!」
大声で話すサッカーくん。電話の向こうからも次男くんの大きな声が漏れてくる。
「あ―平気平気、神社で雨宿りしてる。あ、うん???」
サッカーくん、携帯から耳を離し私の方を見る。
「親父が帰ってきたところで、今からこっちきて高村送ってくって」
「え、いいよ、悪いよそんなのっ」
伝わるように手ぶりも添えて断ると再びサッカーくんは携帯を耳につける。
「頼むわ、待ってるし」
そういうとプツリと電話を切る。
唖然とする私をサッカーくんは少しだけ笑った。
「お前のそういう顔、久しぶりに見た気がするな」
「え?なんて?」
「夏風邪なんかひかせらんないって言ったんだよ」
大きな声でそう言うと笑う。

それからすぐにサッカーくんのお父さんの車がやってきて
家まで送ってもらうことになった。
ナビはサッカーくん。
お父さんは豪雨の中慎重に運転してくれて家に着くころにはようやく夜空が見えてきた。
「ほんとにすみませんでした」
「こちらこそ晩御飯の用意までしてもらって、申し訳なかったね。
これに懲りずにまた遊びにおいで」
「はい!ありがとうございました」
「じゃあ、またな」
「うん。気を付けて帰ってくださいね」
サッカーくんたちの車を見送ろうとすると、お父さんに家に入るように言われた。
「帰ったらすぐに戸締りしなさいね」
「あ、はい。それじゃ失礼します」
ぺこりと頭を下げて玄関を開け手もう一度車に向かって頭を下げて扉を閉めた。

サッカーくんの心配性はお父さん譲りかな。
ほんのちょっとだけ笑いながら。



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いつも楽しみに読んでます。

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マガー様

コメントありがとうございます!!
めっちゃ嬉しいですっ!
しかも、いつも読んでいただいているなんてっ!!
ありがたいです(´;ω;`)
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