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「だれよりもすきだったサッカーver」掲載中


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88 まっさらな気持ち9


三年生が卒業していき、妙な静けさの中で終業式を終え、
あっという間に春休み・・・・・もすでに終わりが見えてきている。
すでに四月。もう三年生だ。
なんて早いんだろう。ぞっとする。
休みの間、
校内の出入りが許されている時間は目いっぱい学校に通っていた。
こんな時期に図書館にいる生徒は私だけ、と思ってたんだけど。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんだよ」
目の前で、ひたすら問題集に取り組む姿をまじまじと見つめていると、
じろりと睨まれた。
「別になんでもないない」
「・・・あっそ」
興味なさそうにまた視線を手元に戻す彼の姿を、やっぱり見てしまう。



伏せぎみの瞼から思いのほか長めのまつ毛が、日に当たってすごくきれい。
元々カッコいい顔立ちだけど、うーん、絵になるなぁ。
・・・・じゃなくてさ。
見惚れてる場合じゃないんだってば。
なんで、彼、毎日ここにいるんだろう。

最初は偶然だと思ってた。
だけど、毎日続けば、なんかおかしいってさすがに私でもわかる。
サッカーくんが思わないわけ、ないと思うんだけど・・・・・。
思ってないのかなぁ・・・・・???
うーーーーん・・・・・。


「・・・・・だから。いったい何なんだよ、さっきからじろじろと。集中できないだろ」
手にしていたシャーペンをトンと机に置くとサッカーくんは盛大にため息をついて私を見る。
「言いたいことがあるなら言えよ」
「いや、別に・・・・・」
「いまさらなに視線外してんだよ。いいから言え」
オレのことを怖がるなとか言いながら、こうやってちょくちょく睨みつけてくるのは、どうなの?
圧力かけたら簡単に折れるって思われてるのが癪なんだけど、
それでもサッカーくん相手に折れずにいるのは至難の業で。
「・・・・なんで、いつもいるの?」
「お前な・・・・、オレも一応受験生なんだよ」
「それはわかってるよ。そうじゃなくてっ」
「なんだよ?」
「なんで、いつもそこにっ、座るの??」
だだっ広い図書室の中、カウンター奥にいる司書さんを除けば、いるのは私とサッカーくんだけ。
いつも私よりあとからやってくるサッカーくんはなぜかいつも私の前の席に座る。
なぜだ。
「・・・・・・・・ここが一番落ち着くんだよ」
「・・・・・・・・・」
「なんだよ、その目は。オレのことはいいから、お前も自分の勉強しろよ。
さっきから全然進んでないだろ??」
今日やろうと思ってたところはもう終わっている。
この間沢井さんが教えてくれたところだから、すいすい解けたんだよね。
次なにやろうかと思ったところで、サッカーくんが現れたわけで。
でもなんかそういうこと言ったらまた怒られそうだし、
とりあえず、現国でもやろうかなー。
いそいそと鞄の中から問題集を取り出すと、
「あ」
サッカーくんが声を上げる。
「え、え、なに?」
「その問題集、ちょっとわからないとこあんだけど、聞いてもいいか」
「あ、うん、私にわかるとこなら」
なんだ、また何かつっこまれるかと思っちゃったよ。

サッカーくんは同じ問題集を取り出して付箋の張ってあるところを開ける。
今やってた数学もそうだけど、サッカーくんと私、結構同じ問題集やってるかも。

「サッカーくんって、どこの大学目指してるの?」
サッカーくんの目がちょっと細くなる。
「あ、ごめん、言いたくないならいいんだ!」
デリケートな問題を簡単に聞いた私が悪かった。
「○○○大」
「え」
「△△学部が第一志望。お前の目指してる◇◇学部とは偏差値全然違うけど
オレにとってはものすごいチャレンジ。
無謀ってのはわかってるけどどうせなら高いとこ目指したいからさ」
「△△学部・・・・・・」
初めて聞いたサッカーくんの進路志望。
同じ学校だなんて・・・・。
「ナルも同じ」
「えっ、そうなの?」
こっちも初耳。
つか、なんで私の志望校知ってるの??
「渡辺先生から聞いた。図書館使って勉強してたメンバーはみんな知ってるぞ」
「まじーーーっ???」
渡辺先生、ちょっとそりゃないでしょーーーっ?
デリケートに扱ってよ、そういう情報はっ。
「で、渡辺先生が、お前らも国立大目指すなら高み目指せーって
あの勢いでガンガン熱弁ふるうもんだから
ま、単純に感化されたって話だよ。
お前が目指してんならオレも目指してみたくなった」
「サッカーくん・・・・・」
「絶対追いついてみせるからな」
決意に満ちた挑むような視線にまっすぐ見つめられて、なんか恥ずかしくもなるけれど。

サッカーくんと、同じ学校を目指す。

それはすごくすごく勇気づけられることで。

「じゃあ・・・・、一緒に!頑張ろうねっ」
「ああ」
「ナル君も、みんな揃って受かろうねっ」
「ああ、そうだな」
ちょっと苦く笑うサッカーくんの、下がった眦は優しげで
だけど力強く頷いてくれるから、嬉しくなる。

ナル君はともかく、私もサッカーくんもすごく厳しい状況。
でも仲間がいたら、頑張れる気がする。

「にやけてる、お前」
「えっ!!」
指摘されて思わず両手でほっぺたに触れる。
「昔からお前は、わかりやすいよなぁ」
そう言って笑うサッカーくんの表情は思わず見惚れるほど優しくて。
ほっぺたが熱を持つ。

あー・・・・・そういう顔、ずるいなぁ。
だってさ、そういう笑顔、すごく好きだったんだもん。
すっごくいい笑顔なんだもん。
見てるだけでうつっちゃうよ。

「あー、なんか頑張れる気がしてきたっ」
「なんだ、それ」
呆れながらも笑ってくれるサッカーくんに元気をもらって
問題集を広げた。

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